設備や人員配置の基準
特別養護老人ホームは介護施設の中でも要介護度の高い人が入居される施設です。そのため介護施設として施設運営するにあたり法律によって施設として成立する基準が設けられています。ここでは特別養護老人ホームとして成立させるためにはどのような基準があるのかを紹介します。
設備の基準
特別養護老人ホームとして施設運営するための設備の基準について紹介します。まず居室は必ず配置しなければなりません。認知症などでベッドから転落の危険性がある入居者には畳に敷き布団を敷いて対応したり、超低床ベッドを用意したりなどで対応しなければなりません。そして居室には何かあった際に外部に知らせるブザーや連絡ができる設備を設けることが義務づけられています。
そして静養室も必要不可欠です。静養室は、心身の状態が悪くなり居室で過ごすことが難しい場合に使用される部屋です。具合がよくない状態だと、他の入居者もいる空間ではゆっくり休めないという理由や、ケアのために職員の出入りが多くなり他の入居者に影響があるという考えから利用されます。そして職員がすぐに対応できるように、静養室は介護職員室か看護職員室に近接して設けるように決められています。
日常生活を送る上で食事や入浴、排泄といった行為を行えるようにそれぞれ食堂と浴室とトイレの設備は必須です。食堂に関してはあくまでも食事をすることができる設備が義務となります。調理に関しては外部の業者に委託している施設もあります。またトイレには居室と同様に外部に連絡をすることができるブザーなどの備え付けは義務となり、排泄ができるだけの設備では不十分となります。
人員配置の基準
特別養護老人ホームは人員の配置も法律で定められています。配置が義務付けられている人員は施設長、医師、看護職員、介護職員、生活相談員、栄養士、機能訓練指導員、調理員、事務員となります。
施設長は施設の管理や運営を統括する役割で、1つの施設で1人配置しなければなりません。医師は入居者に対して健康管理や指導ができる人数を配置できていれば良いとされています。介護職員と看護職員は入居者3人につき1人以上の配置が義務となっています。看護職員は30人以下であれば1人以上で良く、31人から50人の施設では2人以上必要といった利用者の割合で必要な人数が決定されます。生活相談員は1人以上の常勤を配置することが義務となっており、施設内で入居者やその家族に対して入試から施設での生活サポートを行います。