施設の特徴と入居条件
介護施設には、介護付き有料老人ホームや通所型のデイサービスなどさまざまなタイプがあります。その中でも特別養護老人ホームはどのような施設でどういった役割を持っているのかについて、特徴や入居条件から紹介していきます。
主な特徴
特別養護老人ホームの特徴のひとつとしてまず挙げられるのは、公的な老人ホームであるとも言われるように、地方自治体や社会福祉法人が運営しているという点です。特別養護老人ホームを利用するのは、寝たきりや認知症などによって常に介護を必要としている人たちがほとんどです。つまり自宅での生活が難しいような人が入所することになりますので、食事や入浴など生活全般にわたる介護を24時間提供しています。
そして特別養護老人ホームの利点とも言える特徴に、費用が安いという点があります。民間型の老人ホームでは入居一時金がかかることが多いですが、特別養護老人ホームでは入居一時金がかかりません。また月額費用も10万円前後で入所することができますので、高度な医療ケアを必要としない場合には最期まで住み続けることが可能です。要介護度の高い人達が入所することもあり、手厚い介護が受けられるという特徴もあります。
居室のタイプ
特別養護老人ホームは個室タイプとそうでないタイプがあり、個室でない場合は2~4人部屋で施設全体が介護を行うタイプになります。個室タイプでは、ひとり部屋にひとりで生活する従来型の個室と、10人程度をひとつのユニットとして個室+共用設備がセットになったユニット型があります。
個室でないタイプでは個人のプライバシーの保護や尊重が難しかったですが、ユニット型では少人数の単位で個別ケアを充実させ、プライバシーの保護と他入居者との交流を両立できるという利点もあります。少人数単位で家庭的な雰囲気の中で過ごせるという点が魅力です。
入居条件
特別養護老人ホームの入居条件は65歳以上で要介護3以上の高齢者であること。40歳から64歳で特定疾病が認められた要介護3以上の人。特例により入居が認められた要介護1から2の人。これら3つの条件いずれかを満たしていなければ入居することができません。
特別養護老人ホームは看護師の配置が24時間義務付けられているわけではありませんので、施設側の看護師体制によっては条件を満たしていても24時間医療ケアを必要とする場合などは、受け入れができないというケースがあります。感染症を持っているなどの集団生活が難しいと判断される場合も入居は難しいと言えます。